新年度が始まって早や1ヶ月、みなさん、健康診断の受診案内はきたでしょうか?
私は総務部に所属しているので、社員の方々が受ける健康診断をセッティングする側の立場なのですが、これがまあ年に1~2回しかないとはいえ、意外に手間と時間の要る事務なのでぶっちゃけ面倒くさいものなんですよね。(ぶっちゃけすぎ?)
そんな中で今回、健康診断や人間ドックのことを調べていたら、ふとしたことでちょっと面白い雑学や豆知識を知ることができたので、その内容を紹介します。
知っていると少し健康診断が楽しくなるかも??
目次
そもそも健康診断と人間ドックの違いがわからないという方へ
最初に、健康診断と人間ドック、違いがよくわからないんですけど・・・という方への補足です。
一番の違いは、健康診断は法律で義務つけられたもの、人間ドックは自分の意志で受けるものという点です。
そして、健康診断と人間ドックでは検査の項目数が違います。
健康診断は胸部レントゲン以外のがん検査がありませんので、必要最低限の検査項目と考えましょう。
対して、人間ドックは目的や気になる部分を集中的に検査することができます。生活習慣病関連の基礎ドックと、がん等の特定疾患を確認する検査の組み合わせができます。
そのような「受けなければいけない」「受けたいものを受けたい」という違いもあり、前者の健康診断は保険制度からの補助・助成があります。後者の人間ドックは基本ありません。
健康診断と人間ドックにかかわる雑学・豆知識
「健診」と「検診」の違いって何?
「健診」は健康診断の意味で、健康であるか否かを確かめ、病気の危険因子があるかどうかを見ていくものです。
病気になる前に全身の健康状態を評価し、病気を未然に防ぐこと(予防がメイン)を目的とします。
一方、「検診」とは特定の部位・疾患を早期発見、治療をメインとしたものです。
これは病気にならないためにどうするかではなく、病気かどうかの早期発見が目的となります。
健康診断・人間ドックには消費税がかかります
意外かもしれませんが、健康診断や人間ドックには消費税がかかっています。
医療に関するものは国民の生活維持に必要なサービスとして、消費税は非課税とされています。
しかし、非課税になるのは健康保険法などの適用に基づいた診療報酬のみであって、例えば、診療報酬以外の自由診療、美容整形、健康診断等の各種検査については除外されています。
というわけで、サラリーマンの皆さん、時間の許す限りでかまいませんが、2019年は9月までに健康診断を受けましょう!
バリウムが苦手!あの白い液体の正体はなんなのか
胃・食道・腸などのレントゲン撮影のときに飲む白い液体、バリウム。
バリウムは、原子記号「56」の元素。レントゲン撮影の前に飲むのは硫酸バリウムという化合物です。
なぜこれを飲むのかというと、バリウムにはX線を通さない性質があるからです。バリウムを飲むことで、消化器官の形や壁面を鮮明に撮影することができるようになります。
検査用のバリウムは年々改良がすすみ、検査の前に飲み干す量も昔に比べてずいぶんと減って味も飲みやすくなっているようですが、お世辞にも美味しいとはいえないですよね・・・。
もっと味もどうにかできないのかという声もあがっているようですが、あまり味をよくすると胃が活性化して胃酸が過剰に出てしまい、正しく撮影することができなくなるそうです。
日本で初めて健康診断を受けた人って誰?
慶応元年(1865年)、新選組隊士約170名に対して、幕府典医の松本良順により健康診断が行われた記録が残されています。
診断結果ではそのうちの70名以上が病気にかかっており、また、ワースト3は感冒(風邪)、食傷(食あたり)、梅毒だったそうです。
中でも、肺結核と診断されたのがかの有名な沖田総司だったとか。
男所帯の新選組では衛生基準が定められていなかったため、これを機に病室や浴室なども整備されたという話です。
海軍カレーは健康診断が起源だった
生活習慣病・食事療法の創始者、高木兼寛は、30年に及ぶ脚気論争に終止符を打った人物です。
脚気の原因が白米中心の偏った食事にあることを突き止めた高木は、肉と野菜がバランスよく摂れるカレーを海軍の食事に採用しました。
これが海軍カレーの起源とのことです。
ふるさと納税で人間ドックが受けられます
ふるさと納税で受け取れる返礼品(お礼の品)は、家電や商品券、特産品などが有名ですが、人間ドックもまた高額ながら人気があります。
半日・日帰りで受けられる人間ドックや、PET-CTなどのがんを詳細に調べる検査までいろいろな商品が出品されています。
半日で受けられる人間ドックはいわゆる一般的な検査で、費用は平均30,000~40,000円程度。基本的には国民健康保険や社会保険などを利用することで割引がされます。
PET-CT付きの人間ドックは2日間で設けられていることが多いようですね。大体は保険外となるため自己負担となり、費用は10万円前後かかります。
セルフメディケーション税制の申告には健康診断の結果表が必要?
薬局やドラッグストアで販売している市販薬の包装箱に「セルフメディケーション」や「税控除対象」と書かれたマークが記載されているのはご存じですか?
小さく目立たないので、よく見ないと見つけられないかもしれません。
制度の詳細は割愛しますが、ざくっと言うとこのマークが記載されている市販薬を年間に12,000円以上購入すると、所得税の軽減措置が受けられる制度がセルフメディケーション税制です。
医療費控除のもうちょっと簡易版のような感じでしょうか。
詳細を知りたい方はこちら↓をご覧ください。
セルフメディケーション税制(医療費控除の特例)について
(厚生労働省HPより)
概要は以下のとおりです。
- 対象者:勤務先や自治体が実施する健康診断の受診やワクチン接種など、一定の健康管理を行っている人(確定申告の際に受診証明(健診の結果通知表など)が必要です。)
- 対象製品:特定の成分が含まれた市販薬
- 控除額:購入時の支払額が年間(1/1~12/31)で12,000円を超えたとき、その超えた額(上限88,000円)
受診の証明書として、健康診断の結果通知表や領収書を確定申告書に添付が必要ですので、健診が終わったらついついどこかに行ってしまいがちな結果表ですが、くれぐれも失くさないようにしましょう!
動物が健康診断をするのも当たり前になってきました
私はペットを飼っていないので知りませんでしたが、動物の健康診断を扱っている病院も多いようですね。
昔に比べて食べるものの質が良くなり医療も発達したため、犬と猫に限っていえば、現在の平均寿命はともに15歳前後だそうです。15歳だと、人間の年齢に換算すると80~85歳ほどでしょうか。
私が幼い頃は犬の平均寿命は10歳に満たなかった覚えがあるのですが、ほぼ人間と同じ理由で動物も寿命が延びているようですね。
ペットは家族の一員ですので、少しでも長く一緒に暮らすために健康診断の受診をするご家庭が増えているとのことです。
まとめ:雑学を調べていたら、思いのほか予防医療の大切さを実感した件
健康診断のあれこれにフォーカスしてみましたが、いかがでしたでしょうか。
健康診断や人間ドックなどの総合健診の機会ももちろん大切ですが、今回の健診にまつわる雑学をピックアップしてみて、私は何より日々のメンテナンスが重要なんだなと感じました。
日本は医療機関へのアクセスが比較的容易で、とても恵まれた国だと思います。
その反面、すぐに病院に行けることの安心感からか、病気になってしまう前の「予防」への取り組みがあまり充実されていないなと実感するんですよね。
健康診断も、みんな目的意識を持って受診しているというよりは、単に義務感で受けている人も多いことでしょう。
現時点で公的医療保険が存在しないアメリカでは、病院に行くと非常に高額なお金がかかるため、国民に予防意識が徹底され病院に行くまでの医療サービスが整備されています。
その最たるものがサプリメントや健康食品(日本の市場規模(約1兆円)の10倍以上らしい!)であり、また、介護状態に至るまでの様々な予防サービスが各居住エリアに存在していて、元気なシニアでいるためのサービスが充実しているそうです。
これからは日本も、「自立して健康に長く」生きることを目的とするならば、予防意識を強く持って医療と向き合っていかないと、お金ばかりかかって将来不安が生まれるだけだな・・・と感じてしまいました。
平成が終わりの日にけっこうなネガティブ話題になってしまいましたが(汗)。
でも、この話題は令和が始まっても浮かれずに自分の課題として保っていたいものです。