目次
人生とは選択の連続である ー ウィリアム・シェイクスピア
「人生は選択の連続である」という、シェイクスピアの有名な言葉があります。
生活をしていくなかで、二者択一で判断に迷うものって大きなものにしろ小さなものにしろ、嫌になるほどたくさんありますよね。
特に頭を悩ませるのが、人生の岐路にかかわるもの。
大人になってからは、主にお金と生きがいが天秤になったものが多くなってきたなあ・・・と思います。
具体例を挙げますと、例えば仕事にまつわるシチュエーションにおいて、
- 進学を取るか、就職を取るか。
- 仕事を取るか、結婚を取るか。
- やりがいを取るか、給料を取るか。
- 転職を取るか、現状維持を取るか。
- 留学を取るか、現状維持を取るか。
- 昇任して管理職を取るか、昇任せずに現場仕事を取るか。
- 給料は高いけど激務の生活を選ぶか、給料は低いけどプライベート重視の生活を選ぶか。
・・・などですね。
男性であるか女性であるかでもだいぶ異なってくると思います。
なぜこれらに悩んだり迷うのかというと、当たり前ですが、自分にとってその2つの価値は形は違えど等しいからに他なりません。
等価じゃなかったら悩んだり迷ったりはしないですからね。
プロスペクト理論について
さて、ここでいったん話を変えまして、タイトルにあるプロスペクト理論について。
こちらはダニエル・カーネマンとエイモス・トベルスキーという心理学者よって提唱された、「人間は利益または損失を前にしたとき、どのように行動するのか」を研究したもののひとつで、行動経済学における代表的な成果をもたらした理論として大変有名なものです。
2002年にノーベル経済学賞を受賞しています。
行動経済学は心理学とタッグを組むことでその理論の実証に説得力を与えているため、深い関係となっています。
この理論における前提条件や実験はいろいろあるのですが、ここではそれを入れると複雑になりすぎてしまうので省略します。
プロスペクト理論が主張するメッセージ
この理論の最終的に言いたいことは、
「人間は目の前に利益があると、『利益が手に入らないというリスクの回避を優先』し、損失を目の前にすると、『損失そのものを回避する傾向にある』」ということ。
これはどういうことかというと、以下の価値関数モデルにあるように、同じ大きさの価値に対して、利益を得ることと損失を被ることを比較した場合、損失のほうが感じる価値の変化が大きくなるということです。
つまり、同じ価値であるならば、手に入れたときに感じる「得」の気持ちと、逃したときに感じる「損」の気持ちでは、損のほうが大きくなる(敏感になる)のです。
これを噛み砕いて解釈すると、人間が、この記事の最初に述べたような二者択一の選択を迫られたとき、どちらを選んだとしても(どちらかを選ぶということは、もう一方の選択肢を失うこと(損失)になるので、)選んだほうの喜びや嬉しさよりも、選ばなかったほうの悲しみやダメージのほうが大きくなるということです。
それはすなわち、「人間は必ず後悔をする生き物である」という結論に行き着きます。
もっとプリスペクト理論をライトに理解したい方におすすめの漫画
なお、唐突な紹介ですが、上記の説明をもっと簡単にわかりやすく述べてくださってるのが、このギャグ漫画です。
マンガでわかる心療内科(第2巻)
怒涛の下ネタボケとツッコミが乱発するセクハラ漫画なので読み手を選ぶのですが(笑)、プロスペクト理論の回はそういう解釈があるのかー!と大変勉強になりました。
一部ネタバレになってしまいすみませんが、「どちらの選択をしてもどのみち後悔をするのだから、同じ後悔をするのなら、そのときに一番自分が望む道を決めて進むほうがよっぽどいい」という締めでその回のお話は終わります。
まとめ:「後悔」との向き合い方と自分の選択に自信を持つための心構え
結果として、あのとき、ああすればよかった、こうしとけばよかった、と思うことはよくありますよね。
それは仕方のないことで、いつまでもそのことでくよくよ悩むのはハッキリ言ってしまえば不毛なことなんですよね。
例えそのときに違う選択を取っていたとしても、後悔はしてしまうのですから。
逆に言えば、次に同じようなことがあったときにそうしないことができるのだから、それはそれで無駄な選択ではなかったと思うんですよね。
まあ、この漫画自体は後から知ったことなので感化されたということはないのですが、過去に職場を退職するにあたって、プロスペクト理論がその選択を後押しした影響は(無意識下でも)あったんじゃないかな、と思っています。
損得で考えるのではなく、「どのみち後悔はするものなんだ」と吹っ切り、自分がどうしたいのかという軸で考える癖をつけると、人生の選択が少し楽になりますよ。